共有パワーバンクの充電戦略がより高価になる理由と、その将来展望は?

共有パワーバンクシェア型モバイルバッテリーは「価格高騰と充電速度の遅さ」を理由に、広く議論を呼んでいます。ここ数ヶ月、「シェア型モバイルバッテリーは1時間あたり4元と高額？」「シェア型モバイルバッテリーはバッテリーの30%しか充電できない」といった話題がWeiboで人気を集め、シェア型モバイルバッテリーの充電料金問題が再び注目を集めています。

シェアリングエコノミーの流行に伴い、シェアリングパワーバンクは新たな産業として台頭しました。2017年、シェアリングエコノミーの概念が急速に普及したことで、長年模索されてきたシェアリングパワーバンクは、資金力によって急速に各都市に広がりました。当時、ユーザーは最初の30分、あるいは1時間まで無料で利用できましたが、超過分は1時間あたり1元、1日あたりの上限は10元でした。

iMedia Consultingが発表した調査レポートによると、レストラン、バー、デザートショップなどの飲食シーンにおけるシェア型モバイルバッテリーの利用率が50%以上を占めています。次いで、カラオケ、映画館などの屋内エンターテイメント施設やスーパーマーケットが利用率が高いことが分かりました。空港、駅などの交通機関、そして屋外での滞在時間が長い観​​光地や遊園地も、シェア型モバイルバッテリーの主な利用シーンとなっています。

一方、シェア型モバイルバッテリーの価格は「手頃」ではありません。上海では、シェア型モバイルバッテリーの価格は一般的に1時間あたり3～5元程度です。人気の景勝地や商業地区では1時間あたり7元、バーでは8元に達することもあります。最安値の1時間あたり3元でさえ、シェア型モバイルバッテリーの価格は過去5年間で3倍に上昇しています。

シェア型モバイルバッテリーの価格と費用対効果に関する議論やアンケートが、オンラインプラットフォーム上で数多く行われています。例えば、「シェア型モバイルバッテリーが1時間あたり4元というのは高いと思いますか？」というアンケートには、1万2000人が参加し、そのうち1万人が「高すぎるので、必要な時以外は使わない」と回答し、646人が「少し高いが、許容範囲内」と回答し、149人が「高いとは思わない」と回答しました。

上海のシェア型モバイルバッテリーの料金例として、東方明珠テレビ塔を例に挙げてみましょう。周辺のシェア型モバイルバッテリーは1時間あたり4～6元で、24時間の最大料金は約30元、上限は99元です。

会社	価格人民元/時間	24時間料金	上限価格	自由時間
美団	4～6元/時間	30人民元	99人民元	2分
小店	5元/時間	48人民元	99人民元	3分
モンスター	5元/時間	30人民元	99人民元	5分
シューディアン	6元/時間	30人民元	99人民元	1分
ジーディアン	4元/時間	30人民元	99人民元	2分
東方明珠塔の近く

黄埔区の新天地付近では、シェア用モバイルバッテリーの料金は1時間あたり4～7元で、24時間料金は30～50元と大きく変動し、東方明珠塔付近の料金と比べるとやや高めとなっている。

会社	価格人民元/時間	24時間料金	上限価格	自由時間
美団	7元/時間	50人民元	99人民元	0分
小店	4元/時間	50人民元	99人民元	5分
モンスター	5元/時間	40人民元	99人民元	3分
シューディアン	6元/時間	32人民元	99人民元	5分
ジーディアン	4元/時間	30人民元	99人民元	1分
黄浦区新天地付近

上海市嘉定区の路上店舗では、シェア型モバイルバッテリーの価格が全体的に下落しており、1時間あたり3～4元、多くは24時間で40元となっている。一部のブランドでは、24時間30元という低価格設定となっている。

会社	価格人民元/時間	24時間料金	上限価格	自由時間
美団	3元/時間	40人民元	99人民元	1分
小店	3元/時間	30人民元	99人民元	3分
モンスター	/	/	/	/
シューディアン	4元/時間	40人民元	99人民元	1分
ジーディアン	4元/時間	48人民元	99人民元	1分
上海嘉定区の路面店

さらに、ミニプログラムで検索したところ、静安区のビールバーでは1時間あたり最高8元でシェア用モバイルバッテリーを提供していることが判明した。

価格の高さに加え、共有型モバイルバッテリーのコストパフォーマンスも批判されています。家庭用モバイルバッテリーとは異なり、共有型モバイルバッテリーの充電速度が遅いことは周知の事実です。急速充電器を使えばわずか20分でフル充電できるのに、共有型モバイルバッテリーを使うとバッテリー切れを防ぐことしかできないと不満を漏らすネットユーザーもいます。

さらに、共有型モバイルバッテリーの24時間あたりの価格は費用対効果が低い。一部のネットユーザーは、共有型モバイルバッテリーの残量を使い切った後、スマートフォンのバッテリー残量は30%しか増えないと主張している。

 

価格高騰をめぐる論争に対し、モバイルバッテリーの共同ブランドの一つであるXiaodianの代表者は、同ブランドは今年価格を引き上げておらず、業界全体で価格調整は行われていないと述べた。また、Xiaodianの価格設定は市場価格に基づいており、規制および市場の需給ルールに準拠していると述べた。

 

消費者を代表して、シェア型モバイルバッテリーの価格紛争について美団充電と貴翔充電のカスタマーサービスに問い合わせたところ、美団充電のカスタマーサービスは、市場動向に合わせて差別化された価格戦略を実施していると回答しました。価格設定プロセスでは、業界の価格相場や特定の販売店の提案を考慮しています。サービス価格は市場価格に基づいて調整され、中華人民共和国物価法に厳密に準拠しています。消費者は具体的な「課金ルール」のプロンプトに注意し、実際のニーズに基づいてモバイルバッテリーサービスを利用するかどうかを確認する必要があります。

グアイショウ・チャージングのカスタマーサービスによると、様々な要因や地域ごとの維持費により、各店舗の料金基準は異なっており、「山の中と谷間で価格が違う」のと同じように、地域の代理店と加盟店の間で合意されているとのことです。

 

Zhumang TechnologyはJiedianとSoudianという2つのブランドを所有しています。本稿執筆時点では、Zhumang Technologyはこの問い合わせに回答していません。

匿名のシェア型モバイルバッテリー業界関係者は記者に対し、シェア型モバイルバッテリー業界は過度な市場化と競争によってチャネルに囚われていると指摘した。業界は代理店の募集や機器販売を開始しており、ブランドは安定した収入を得られる一方で、価格設定の問題も抱えている。例えば、Guai Shou Chargingは直販モデルで運営されている一方、SianoudとXiaodianは純粋な代理店モデルで運営されている。

 

CCTVは報道の中で、モバイルバッテリーの価格は通常、代理店と店舗の間で交渉されていると指摘している。代理店はモバイルバッテリーのレンタル費用を負担し、店舗は充電ステーションの電気代のみを負担すればよい。最終的な収入は、代理店、店舗、プラットフォームの3者で分配される。店舗は通常、収入の約30％を受け取り、特に客足の多い店舗は交渉力が強い。プラットフォームは約10％の収入を得る。つまり、モバイルバッテリーが1時間あたり10元だとすると、プラットフォームが1元、店舗が3元、代理店が約6元を得ることになる。もし顧客がモバイルバッテリーを返却し忘れて購入してしまった場合、店舗は通常2元、代理店が約16元を受け取ることになる。

シェア型モバイルバッテリーの料金問題は、長年にわたり規制当局の懸念事項となってきました。2021年6月、国家市場監督管理総局の価格・独占禁止・インターネット監督管理部門は行政指導会議を開催し、美団、貴手、小店、来店、街店、捜店の8つのシェア型消費ブランドに対し、慣行を是正し、明確な価格設定ルールを制定し、透明価格設定を厳格に実施し、市場価格設定行動と競争行動を規制するよう要求しました。当時、これらのブランドの平均価格は1時間あたり2.2～3.3元で、69～96%の筐体が1時間あたり3元以下でした。しかし、2年後、ブランドは依然として透明価格設定を厳格に遵守している一方で、シェア型モバイルバッテリーの価格は急騰し、新たな「刺客」となっています。

今年に入ってから、各地域でシェア​​パワーバンクに関する消費者からの苦情が再び注目を集めています。3月、広東省深圳市消費者委員会は、様々なブランドのシェアパワーバンクを対象に調査を実施しました。その結果、モバイルバッテリー返却後の過充電が消費者からの主な苦情であることが判明しました。

 こうした不満にもかかわらず、業界調査レポートは、ユーザー需要によるシェア型モバイルバッテリー市場の回復について依然として楽観的な見通しを示していることは注目に値する。iResearchが発表した「2023年中国シェア型モバイルバッテリー業界調査レポート」によると、2022年通年のデータは控えめな推移を示し、業界規模は100億元とされている。2023年には、生産や生活など住民の経済活動が着実に回復し、市場需要も回復し、業界規模は170億元近くまで拡大し、2028年には700億元を超えると予想されている。